小説002 / 六話
参加のボタンを押すと、現在の参加予定者の数と名前が表示された。
ハンドルネームはそれぞれBrooklyn、向陽、撃鉄丸、エアコン、そして僕こと三八〇の5名だ。性別は分からないけれど、名前のセンスからは全員が男性な気がした。
次に掲示板をのぞいてみる。
それぞれ、ピンごとに掲示板が設置されるらしく、三日後のこの位置の掲示板では一週間ほど前から書き込みがあった。
2019年 6月2日 15時32分
エアコン「こんばんは! 家が近いので参加してみます! 今回は何か起きるのでしょうかね? 面白い事があるといいけど」
2019年 6月2日 17時35分
撃鉄丸「初めて参加します。撃鉄丸です。まとめブログから来ました。こうゆうネットのイベント参加した事がないので、一応参加ボタン押したけど、参加しないかも
気が向いたら行ってみます」
2019年 6月4日 21時10分
向陽「俺、一ヶ月くらい前に少し離れたところに行ってみたけどなんもおこらなかったな。このアプリ、話題にはなってるけど、ネタなのかもね、まあまた行ってみるけど」
2019年 6月4日 23時56分
エアコン「@向陽 私も三回くらい参加したけどなにも起きなかった……だからこの前は参加者でファミレス行ってご飯食べてきました。もしかしたら出会い系的な使い方なのかもね、これ」
2019年 6月7日 16時3分
向陽「ニュースサイトで知ったんだけど、このアプリのピン位置で爆発事故があったらしいね。なんでも、ドラム缶が爆発したんだって。
誰かが事前に用意して爆発させたのかな。やっぱネタアプリ? ってか、みなさん、危ないことはしないように」
2019年 6月8日 21時32分
エアコン「ですね。集まった人が何か起こすのが趣旨なのかな? まあ、目的も説明もないから分かんないですよね、まあ盛り上がっているうちは楽しむかな〜」
Brooklynという人からの書き込みは無く、撃鉄丸からの書き込みもそれ以降は見られない。
僕も一応、参加の表明をしておこうと思い、書き込む。
2019年 6月9日 15時00分
三八〇「初めて参加します、三八〇です、仕事帰りに寄ってみるつもりです、よろしくお願いします」
それだけ書いて、投稿する。
前の投稿を見る限り、この投稿に対しレスは付かなそうだけれど、実際に顔を合わせる前に一言あったほうが話しやすい気がする。まあ、本当に行くかどうかはまだ決めかねているのだが。