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家賃3.8万円

死ぬまで、やります

小説003.

小説003 / 三話

いつの間にか、空を見ていた。前日の雨に打たれた公園の地面はぬかるんでいて、彼女から借りた服が土によって汚れている。隣を見ると、高校生の彼も仰向けに大の字になって空を仰いでいる。彼はいつの間にかブレザーを脱ぎ捨ていた。「あんたも、俺とおんな…

小説003 / 二話

普段の生活で、塀を飛び越え、知らぬ人が住む家の屋根を伝い、風を切りながら空を駆ける、何てことはしない。あくまで僕は、一般市民として生活をしている。体を使えばその分、対価として寿命が減るかもしれない、という臆病な恐怖があるのも否定はできない…

小説003 / 一話

塀を飛び越え、知らぬ人が住む家の屋根を伝い、風を切りながら空を駆ける。いつもはこんな、人ならざる行動は抑えてはいるが、しかし今日に限ってはそんな余裕は無い。 急がなくては。 最寄りの駅からバスで二十分、そこから更に普通の人が普通に歩いて十五…