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家賃3.8万円

死ぬまで、やります

彼方の群青へ 01

死後の世界は無いと思う。

 

火葬の際には、三途の川を渡るためのお金や、故人が好きだったものを一緒に入れてあげるという風習はそれ自体には意味がないが、残された人に感情やら記憶を残すための儀式のようなもので、俺の時もきっと、いつになるかは分からないが、例に違わないだろう。

 

だから、俺の棺桶の中に一緒に入れてほしい物を考えた時、自他共に認める好きな物を頼むか、後世に語り継がれるようなユーモア溢るる物にしようか迷うところではある。

 

俺は格好いい人間になりたい。

格好いい人間とは、格好いい容姿や行動をする人間のことで、尚且つそれが大衆に認められなければいけない。

自分だけが格好いいと思うだけなら誰にでも出来るし、いきすぎればただの思春期の暴走、鏡の前でのみ起こる自意識過剰と自己肯定でしかない。

 

それを踏まえて、俺だけの考えで誰にも認められないかもしれないが、棺桶の中に入れてほしいものを、生前から言えるのはとても格好いいと思う。

なぜなら俺は、死後の世界は無いと考えているから、死んでしまえば今まで生きてきた軌跡なんて意味のないものになると思っているからで、精神や魂がこの世界にとどまるなんて、あり得ないと決めつけているからだ。

 

そんな世界に残された人間に、自分が好きだったものを他の人間に覚えさせようなんて驕りがすぎるが、それくらい言ってのけるくらいが格好いいと、そう感じるのだ。